縁起強迫3

縁起強迫3

縁起強迫③: 縁起強迫の人に特有の考え方とは?

 

縁起が気になることは健常者でもあるノーマルな体験です。縁起強迫は、「縁起が良くないのでは」といった考えが頭に浮かび、不幸が起こるのを防ぐための儀式を始めてしまいます。では、縁起や迷信を気にすること自体が異常なことなのかというと、そうではありません。縁起や迷信が気になるといった体験は、強迫症の当事者に特有な考えではなく、健常者でも普通に体験していることだと多くの研究は示しています。

 

1.過剰な責任感

過剰な責任感とは「恐ろしいトラブルが起こるのを、何としてでも防がなくてはならない」といった義務を感じてしまうことです。迷信的な考えに加えて、「最悪な不幸を防がなくては」という強い責任を感じてしまうと、儀式や中和行為をしなければいけないという衝動が強くなります。

また、自分の責任とは全く関係がないような悪い出来事に対しても、「自分のせいかもしれない」という責任を感じてしまいます。例えば、家族が病気になってしまった場合、「家族が病気になったのは自分がちゃんと儀式をしなかったせいなのでは」というように、悪い出来事の理由を自分に引き付けて考えてしまいます。

 

2.思考と現実の混同

思考と現実の混同とは、「思考が現実に大きな影響を与える」と考えてしまう思考パターンです。例えば、「悪い事について考えてしまうと、その悪いことが現実に起きてしまう気がする」といった思い込みです。

 

・          頭のなかで不吉な考えがうかぶ ⇒ 現実においても不吉なことが起こってしまう

・          頭のなかで不道徳な考えがうかぶ ⇒ 現実において罰が当たる

 

さらに、「念じる」「祈る」といった思考活動が、現実に起きる不幸を中和する影響力があると思い込んでしまうことも、思考と現実の混同です。