集団認知行動療法(5月18日)原因について考える
2018/05/25 [コラム]
5月18日集団認知行動療法
原因を遡る
前回は、今何が問題になっているのかを詳しく分析してもらいました。
例えば、水道管料金がいつもより高くなっていて、どうやら原因は「水漏れ」にあるらしい、
とわかったとします。でも、具体的にどこの部分から、どれくらい水漏れをしていて、どのような修理をすれば直るかがわからなければ、水漏れを止めることはできないでしょう。
今回は、前回の原因に関連して、もうすこし自分について詳しく振り返ってもらいました。
その人なりの生き方のルールを文章にしたものを「スキーマ(ビリーフ)」と言います。
例えば「仕事やるからには、完璧にこなさないといけない」と自分を追い込んでしまう考えは、
すぐに身についた、というよりは、多くの場合長年の積み重ねによる場合もあれば、
ある時期のインパクトある出来事がきっかけになっている場合があります。
今回は、現在に焦点をあてるだけではなく、昔のことも思い出してもらいました。
小学校に入る前はどんな子どもだったのだろう。小学校、中学校、高校、そしてその先は、
仕事をしてからはどんな感じだったのだろう?
また、家族のそれぞれの性格や、自分の人生に大きな影響を与えた人のことを考え、それがい今の自分にどんな影響を与えているのだろう、など様々な関連性を振り返ってみました。
紙に書き出してみると、不思議なもので、色々なことが冷静に振り返られたりします。
昔の人物に関して研究している、研究者のような感覚です。
そして、それぞれの時点でできた「スキーマ」は、その時は役に立つものだった、と理解してもらいました。
例えば小学校の頃、テストで85点をとっても、親に「どうして100点じゃないの。もう少しだったのに」と言われ続けたら、「テストではいい点を取らないといけない」「完璧を目指さないといけない」という
スキーマを持つようになります。
子どもは食事、住む場所は親に依存しているので、その中で生き延びていくためには、親の機嫌をよくするために、親が望むような子どもになることがいいと、本能的にわかっています。
そんな当時の自分を、今の大人の自分が振り返ってみると、「よく頑張ったな」と自分をいたわる気持ちも出てきたりします。
なぜ今の自分の性格、考え方、行動パターンがあるのか…
人生という長いストーリーの中で、時間と共に形作られたものであると、理解してもらいました。