自分の内面を知ること
2018/07/31 [コラム]
「自分の内面を旅する」
あなたは普段夢を見るでしょうか?
何か不思議な世界にいる夢だったり、何かに追われたり、たたかっていたり…
そうかと思えば、忙しく仕事をしているような現実的な夢もあったりします。
世の中の芸術家は、夢の中で、絵や曲の構想を得て、それを元に作品を作るということがよくあります。
心理学でも『夢分析』という部分があるぐらい、夢のメッセージはその人の心理状態を上手く言い表しています。
例えば…
・何かに追われる→社会的なストレスに追われている。色々、こなさなければいけないことがある。
・人と争う→自分を脅かす状況と向き合っています。争いに勝てば、自分でも対処できると感じています。
・車、飛行機を運転する→上手く運転できるのであれば、自分で状況をコントロールしていて、
上手く運転できなければ、今の状況を自分でコントロールできてないです。
これはあくまでもよくあるパターンの一例ですが、夢もその時々の状況によって、段々と変化していきます。
その内容の変化を追うことによって、その人の精神状態を知ることができます。
心理療法では、色々なアプローチでイメージを用います。
なぜ、直接的な物ではなく、イメージが有効かというと、まずはその人の抵抗を受けにくいからです。
話を聞いていて、どうやら家族に不満がありそうだ、とこちらが思って「ご家族に不満がありますか」
とお聞きしても、「いいえ。そんなことはないです」と問題を認めようとしなかったりします。
真面目な人ほどこの傾向があり、例えば『人の悪口を言っちゃいけない』『辛くても笑顔でいなきゃいけない』
など、自分に厳しい人ほど、不満を認めようとしなかったりします。
夢というのは、不思議の感じの内容も多いですが、本人が言葉に出せないことを的確に伝えてくれています。
今回は、『自分の内面の旅をする』というイメージワークを行いました。
高い山に登って、そこにある宝物(自分の気付いていない、いい面)からのメッセージを受け取ったり、魔法の鏡を見て、10年後の自分は何をしているかイメージしたりしました。
物語、というイメージを用いることによって、自分の内面、考えていることに気付いてもらいました。
『他の人に自分を良く見せよう』『自分の恥ずかしい姿は見せられない』という人程『弱い自分』を見せられず、疲れてしまい、うつ病、パニック障害、社交不安障害などになる人も多いです。
不思議なもので、ある時から「もう、みっともない姿を見られたら、それはそれでしょうがない」「それで
死ぬわけじゃない」と、開きなった時に、スーっと症状が消えてしまうのは、よくあることです。
それは、ある意味、自分の弱い部分も含めて、自分自身を受け入れて言ったわけです。
真面目な人、弱みを見せたくない人ほど、それを言葉にするのは抵抗があるので、抵抗を感じにくい物語のイメージを使って、色々なことに気付いてもらいました。
でてきたイメージに本人も「なるほど」と妙に納得するのは、すごいところです。
いったん自分が何を考えているのか、何に不満を持っているのかが分かれば、それは扱うのは可能です。
ここで出てきたテーマを、次回以降のカウンセリングや集団認知行動療法で扱っていただければと思います。