本当の自分を知ること(うつパニック不安の認知行動療法)
2017/12/20 [コラム]
「本当の自分をしること」
~うつパニック不安の集団認知行動療法から~
「本当の自分を知る」
まずは現在の関心事に注意を向けてもらいました。
今、自分はどんなことが気になっているんだろう…
例えば、今現在仕事を休んでいる人がいたとします。
その人は「仕事を休んでいて、仕事に戻らなければいけない」と考えていたとします。
その裏には、あまり戻りたくないけど、仕事しない訳にもいかないから、戻るしかないかな…
という人もいれば、
開き直って、もっと力を抜いてやってみよう。それでダメだったら、また考えよう、
という人もいます。
やらなければいけない、と思っていることの裏の考えを明らかにしていきました。
その中で、本当はやりたくないけれど嫌々やる、という目標設定はうまくいかないので、再度自分がやりたい、という目標設定を意識してもらいました。
また「仕事に戻らなければいけない」という気持ちの裏には何が隠されているのか…
それは「仕事をする」ことはその人にとってどんな意味があるのかを探っていきました。
ある人にとっては「仕事をする」ことで、人と対等になれる、と考えているのかもしれません。
また、ある人にとっては、お金を稼ぐ手段であり、最低限やるべきこと、なのかもしれません。
さらに、ある人にとっては、仕事を通して自分の能力アップさせ、成長する機会、なのかもしれません。
あるいは、ある人にとっては、多くの人と触れ合い、感謝され、自分が生きている喜びを感じられる、というものなのかもしれません。
人は日々の生活のなかで、つい目の前のことに意識を向けがちで、深く内省することはあまり多くないものです。
人は人生で様々な体験をし、その時々でいろいろな考えを身に着けました。
「どうせ人から嫌われている」「自分には価値がない」…など、自分の行動を制限する考えもいろいろあったりします。
そのような後天的に身に着けた考えを解き放っていくと、どのような自分が現れてくるのでしょうか。
イメージワークを行い、本来の自分自身の存在はどのような姿なのか、もう一度思い出してもらいました。
明るい人もいれば、穏やかな人もいて、深いやさしさをまとっている人もいれば、何か一つのことに集中してこつこつ取り組む人もいるでしょう。
そして、自分自身の良さを大切にした、本当の幸せとは…
それは無理して人や社会の基準に合わせることではなく、自分らしさを大切にしながら、調和して社会で生きていく姿…そのような姿を考えてもらいました。
その質問の1つに、「あなたの人生があと1時間で終わろうとしています。それはあなたが、これから先の人生をどのように過ごしてきたからですか」という、意識を未来に向けた質問を行いました。
この質問により、自分が大切にしたいものを知り、これから先、どう生きていけばいいのかを考えてもらいました。
今回は自分自身の内面、大切にしているものに向き合ってもらいました。
本当に大切にしたいものが明らかになれば、おのずから進んでいく道が見えてくるからです。
さて、みなさんはこの先どんな決断をして、どのような道をあゆんで行くのでしょうか?
とても楽しみですね。