本当の自分を知ること(うつパニック不安の認知行動療法)

本当の自分を知ること(うつパニック不安の認知行動療法)

「本当の自分をしること」

~うつパニック不安の集団認知行動療法から~

 

「本当の自分を知る」

 

まずは現在の関心事に注意を向けてもらいました。

今、自分はどんなことが気になっているんだろう…

 

例えば、今現在仕事を休んでいる人がいたとします。

その人は「仕事を休んでいて、仕事に戻らなければいけない」と考えていたとします。

 

その裏には、あまり戻りたくないけど、仕事しない訳にもいかないから、戻るしかないかな…

という人もいれば、

開き直って、もっと力を抜いてやってみよう。それでダメだったら、また考えよう、

という人もいます。

 

やらなければいけない、と思っていることの裏の考えを明らかにしていきました。

その中で、本当はやりたくないけれど嫌々やる、という目標設定はうまくいかないので、再度自分がやりたい、という目標設定を意識してもらいました。

 

また「仕事に戻らなければいけない」という気持ちの裏には何が隠されているのか…

それは「仕事をする」ことはその人にとってどんな意味があるのかを探っていきました。

 

ある人にとっては「仕事をする」ことで、人と対等になれる、と考えているのかもしれません。

また、ある人にとっては、お金を稼ぐ手段であり、最低限やるべきこと、なのかもしれません。

さらに、ある人にとっては、仕事を通して自分の能力アップさせ、成長する機会、なのかもしれません。

あるいは、ある人にとっては、多くの人と触れ合い、感謝され、自分が生きている喜びを感じられる、というものなのかもしれません。

 

人は日々の生活のなかで、つい目の前のことに意識を向けがちで、深く内省することはあまり多くないものです。

 

人は人生で様々な体験をし、その時々でいろいろな考えを身に着けました。

「どうせ人から嫌われている」「自分には価値がない」…など、自分の行動を制限する考えもいろいろあったりします。

そのような後天的に身に着けた考えを解き放っていくと、どのような自分が現れてくるのでしょうか。

 

イメージワークを行い、本来の自分自身の存在はどのような姿なのか、もう一度思い出してもらいました。

明るい人もいれば、穏やかな人もいて、深いやさしさをまとっている人もいれば、何か一つのことに集中してこつこつ取り組む人もいるでしょう。

 

そして、自分自身の良さを大切にした、本当の幸せとは…

それは無理して人や社会の基準に合わせることではなく、自分らしさを大切にしながら、調和して社会で生きていく姿…そのような姿を考えてもらいました。

 

その質問の1つに、「あなたの人生があと1時間で終わろうとしています。それはあなたが、これから先の人生をどのように過ごしてきたからですか」という、意識を未来に向けた質問を行いました。

この質問により、自分が大切にしたいものを知り、これから先、どう生きていけばいいのかを考えてもらいました。

 

今回は自分自身の内面、大切にしているものに向き合ってもらいました。

本当に大切にしたいものが明らかになれば、おのずから進んでいく道が見えてくるからです。

 

さて、みなさんはこの先どんな決断をして、どのような道をあゆんで行くのでしょうか?

とても楽しみですね。