あれ？いままでおもっていたのと違うみたい

「あれっ、今まで思っていたのと違うみたい」
～出来事の意味づけは、自分で決めよう～

人生には様々な出来事があります。
自分がこの世に誕生して、小学校、中学校、高校、その先。アルバイトをしたり、仕事をしたり、
色々な体験をします。
色々なタイミングで引っ越しをすることもあれば、転職して仕事を変えることもあるでしょう。
趣味やスポーツに打ち込んで賞を取ったり、資格を取得することもあるでしょう。

人生というのは未完の小説のようなもので、毎日平凡に過ぎ去って行くだけではありません。
嵐のような出来事も起きれば、それが過ぎ去ったあとの穏やかな日もあります。喜びや感動に胸を震わせる
事もあったりします。

まずはバラバラになっている記憶を「ライフチャート」というグラフに表示してもらいました。
『誕生』から『現在』に至るまで、一本の線にして記してもらいました。
人生で最高だった時を「＋１０」、人生で最悪だった時を「―１０」として、描いてもらいました。
誕生からずっと線を引っ張っていくと、人生には色々な事があるんだな、と気づかされます。

今この瞬間だけを見ると、今置かれている状況は悪く見えるかもしれません。
しかし、過去に色々な成功体験も経験していて、困難な事を乗り越えた体験も、それぞれの人生では
体験しているはずなのです。
ここ数年に焦点を当てると、そのようなことを忘れてしまっているかもしれませんが、５年、１０年、２０年…そんな風に長いスパンで見てみると、また違って見えます。

そして「人生１００年時代」と呼ばれる広大なストーリーの中の、途中であることに気づかされるでしょう。
まだ前半かもしれないし、折り返し地点かもしれないし、これから壮大なクライマックスがやってくるのかもしれません。

中国の故事で「塞翁が馬」という事があります。
足を怪我してしまって、その時には悲劇に思えたけど、おかげで戦争に行かなくて済んだ、などという話です。
起きた出来事をその時で捉えると、いい出来事、悪い出来事、と思えるかもしれません。
しかし、その出来事がどのような意味を持つのかは、後々振り返って意味づけられるのです。

人に仲間外れにされたこと、多額の借金をしたこと、人からだまされたこと、離婚したこと…
そこだけを見ると、悪い出来事のように思えるかもしれません。
しかし、長い目でみれば、それがあったからこそ、その後の人生が好転することはよく起こります。

人から仲間外れにされたからこそ、そのような人の気持ちを汲み取る事ができたり、やさしくしてあげられるのかもしれません。
借金をしたからこそ、助けてくれる人のありがたみを感じたり、お金に対して計画的に考えるようになったのかもしれません。
人からだまされたからこそ、どういう人が信じられるのか、人を見極められる目を身につけたのかもしれません。

色々な経験をして、人は成熟していくのです。

集団では、過去の「悪いと感じていた出来事」を再度振り返ってもらいました。そして、もう一度、その出来事の意味づけを変えて行きました。

また様々な出来事を振り返り、自分の身に起こるパターンについても、気がついてもらいました。
例えば、最初は仲良くなるけど、途中で疎遠になってしまうパターン。親しくなって距離が近くなると、怖くなって、離れてしまうパターン。自分のライバルが現れると、途中まで頑張るけど、途中で力が抜けてしまうパターン。嫌なことは後回しにして、本当に困った状況にならないとやらないパターン…

長い人生を振り返ってみると、何度も起こっているパターンに気づかされるでしょう。
そして、その裏にはどんな信念（ビリーフ、スキーマ）が隠されているからこそ、自らそのパターンを引き起こしているのかに気づいてもらいました。
（パターンを変えるための、信念に対する介入は、また違う時に行います）

人というのは、自分が何によって突き動かされているのか、それを知らない時にはどうすることもできません。
しかし、何が自分を突き動かしているのかに気づけば、それを無効にしたり、変えて行くことができます。

あなたのストーリー。
改めて振り返って見ることにより、あなたはどんな発見をしたのでしょうか。
そして、そこにはかけがえのない宝物が、沢山隠れていることに気づいてください。

あなたの人生は、これからもまだまだ続きます。
この先に、思わぬ展開が待っているかもしれません。楽しみにしてくださいね。