問題の本質を見極める

問題の本質を見極める

「問題の本質を見極める」

~メリット・デメリット表を使って、考えよう~

物事を決断する時に、自分がどのような観点で悩んでいるのか、ポイントがわかれば決断しやすくなるでしょう。

今日の晩御飯は肉にするのか、それとも魚にするのか…

レンタルビデオを借りに行ったけど、アクション映画にするのか、恋愛映画にするのか…

車を買おうと思うけれど、セダンがいいのか、ワゴン車がいいのか…

色々な場面で、どちらを選ぶのか、悩むことがあると思います。

2つの選択肢で迷うということは、どちらにもメリットがあり、デメリットがあるということです。

もし1ヵ月の給料を、10円と100万円とどちらかを選べるといわれれば、そこまで迷わないかもしれません。圧倒的に一方が良くて、一方が悪い選択肢であれば、そこまで悩みません。

今回はその悩んでいるポイントは何なのか。自分はどんな基準を大切にしたいのかを、考えてもらいました。

「~~と考える」「~~という行動に参加する」という、選択肢について、表を使って考えてもらいました。

まずはテーマを設定します。

例)「集団認知行動療法に参加する」

それについて、「することのいい点(メリット)A」「することの悪い点(デメリット)B」「しない事のいい点(メリット)C」「しないことの悪い点(デメリット)D」について考えてもらいました。

2×2マスに記入していくのです。

例えば「することのいい点(メリット)A」

・自分に対する理解が深まる。

・問題解決の方法を学べる。

・自分を望む方向へ変えていくことができる。

例えば「することの悪い点(デメリット)B」

・自分の内面を直視するのがつらい。

・2時間は長い。

・他の人と話すのが緊張する。

例えば「しない事のいい点(メリット)C」

・参加する労力が省ける

・自分の見たくない面を、見ないで済む。

・お金、時間を、自分の好きなことに使える。

例えば「しないことの悪い点(デメリット)D」

・今の生活が、そのまま続く。

・現在の問題が何かに気付かないまま。

・自分が変わらない。

このように、それぞれの項目に対して、思いついたことをとりあえず書き出してみます。

さらに、それぞれの項目に対して、どれだけ重要かについて、点数を振ります。

点数は、5点(とても重要)~1点(重要ではない)で、それぞれの項目について振っていきます。

それぞれの領域に対して、合計点数を出します。

例えば「することのいい点(メリット)A」の領域では

・自分に対する理解が深まる。4点

・問題解決の方法を学べる。3点

・自分を望む方向へ変えていくことができる。3点

計10点

このように、他の領域にも点数をつけます。

そしてそれぞれの領域ごとの合計を比較します。

またそれぞれの領域を、それをまとめると、と考え要約します。

「することのいい点(メリット)A」→自分の成長

「することの悪い点(デメリット)B」→緊張する時間

「しない事のいい点(メリット)C」→自由に過ごせる

「しないことの悪い点(デメリット)D」→停滞

さらに、AとD,CとBは表裏の関係になっていることが多いので、それぞれについてさらにまとめます。

要約すると、問題の本質に気付くことができます。

AとDをまとめると→ 自分が成長するかどうか

BとCをまとめると→ 自分が自由に過ごせるかどうか

それぞれのまとめで出てきた答えに対して、さらにその先に何を求めているかについて、探っていきました。

自分の成長→色んな状況に対応できる→のびのび生きられる→自分らしさを出して、生きられる→自分の良さを前面に出した姿が、いいと思える…

自分が自由に過ごす→自分のやりたいようにやる→自由にやれてうれしい

そして出てきた2つに関して、自分が心の奥で望んでいるのは、結局のところ何なのだろうか、

ということについて考えてみました。

この2つから考えると「自分らしさを発揮して、のびのびと生きること」という、大きな目的が見えてきます。

いくつかのテーマにおいても、今のように「大きな目的」を探っていくと、共通するものが出てきます。

その目標は、その人が人生において大切にしたいこと、だと言えるでしょう。

先程の例に戻ると、そのような「大きな目的」が見えてきて、それをもう一度行動レベル、思考レベルで考えて生きます。

「自分らしさを発揮して、のびのびと生きること」が自分が人生で大切にしたいことだとすると、どうすればいいんだろう?

まずは自分の良さを知ることかな。自分がやりたいことをやっていくことかな。人に対して、もっと自分の思いを素直に伝えることかな…

など、色々なことが見えてきます。

そして集団認知行動療法は、自分らしく生きる方法を見つける場にしよう。その場で思ったことは、少し言ってみよう。行きたくない時は行く必要なけれど、ちょっと気が向いた時は行ってみようかな…そんな風な結論が見えてくるかもしれません。

ここまでが頭で考えて導いた結論になります。

頭で考えた答えというのは、前回もお伝えしたその人がいいと思った『常識』という制限がかかっていることが多いので、その人が『常識』となっている世界観を反映したものになってしまいます。

「頑張ってやらなければいけない」という常識があれば、行きたくなくても無理して参加しよう、自分の嫌なところもしっかり見つめていこう、と考えて、途中で疲れてしまうかもしれません。

「本音を言うと嫌われる」という常識で生きていると、自分の弱い面などを出さないようにしたり、常に成長していく理想的な目標ばかりを、掲げて、何か内面とのギャップに違和感を感じているかもしれません。

後半は同じような内容をイメージワークを通して、自分は本当に望んでいることは何なのか、というのを理解してもらいました。頭で考えたことと(意識)、イメージワーク(無意識)でのズレがあるならば、そこに自分を制限している「常識」が存在しているので、それについてもいずれ扱っていくといいでしょう。

このように多方面から、検証していくと、自分がどんな結論を出すのが一番満足できるのかを、考えてもらいました。

何かを選択する時に迷っている時は、頭の中で相反する考えが沸き起こっているので、まずは紙に書き出してみるところから、始めてみてはいかがでしょうか?

きっと頭の中が、整理されて少しスッキリすることだと思います。