物ごとのとらえ方について~集団認知行動療法~
2017/12/27 [コラム]
「その出来事をどう捉えるかは、自分次第」
当院プログラム:集団認知行動療法から
出来事は、それ自体がストレスをもたらすのではありません。
出来事をその人が「どう捉えたか」により、それに伴う感情(楽しい、悲しい、怒り、など)が
生じるのです。
そして、もう少し広い視点でみると、違った捉え方もできたりもします。
一見不幸な出来事に見えても、長い時間で振り返ってみると「あの時の出来事があったから今の自分がある」と肯定的に捉えることもできたりします。
例えば「職場を望まない退職で去ることになった」という出来事があったとします。
確かにその当時はそうだったかもしれません。
でも、もう少し先前見てみると、職場を退職したことで、やりたくないことも我慢して仕事をしていたけど、
次の職場で「本当にやりたいことを仕事ができた」となるかもしれません。
また、休職したことで、今までの働き方を見直すことになります。
今まで他の人の仕事も引き受け、愚痴も言わず、たくさん残業して、身を粉にして働いた、という人もいたでしょう。
でも、休んだことで、今まで我慢しなくてもいいことまで我慢していた、ということに気づけば、
その後は、人に相談したり、多すぎる仕事は人にお願いできると、もっと楽に働くこともできるでしょう。
そうすれば、前よりも伸び伸びと仕事ができたりもするものです。
人には人生の中で「挫折」ということを経験します。
でも、後々振り返ってみると、その「挫折」があったから、大きく変わった、と捉えることができます。
小さいころから、何度か「挫折」を繰り返すと、多少の困難も対処できたりするものです。
逆に仕事をするまで順風満帆だと、社会人になって初めての「挫折」を体験すると、免疫のなさから、
しばらく落ち込むこともあるでしょう。
「挫折」の体験にしっかり向き合い、そこから学び、再び立ち上がり進めば、その「挫折」は
かけがいの無いものを与えてくれた貴重な経験となります。
このように、人生の様々な経験は、その出来事を「どう意味付けするか」によって、出来事を思い出した時の
感情が大きく変わります。
今現在の人生に影響を与えている体験について、振り返っていきました。
そして、そこにはたくさんの宝が眠っていることに気づいてもらいました。