真実はどこにあるのか?
2019/11/11 [コラム]
「真実はどこにあるのか」
~裸の王様から、人の本質に気づく~
子どもの頃は、色々な絵本を読んだことがあると思います。
その中で『裸の王様』という話しがあったことを、憶えているでしょうか?
あらすじは、以下の通りになります。
『裸の王様』
ある時違う国の商人が、王様の元にやって来ました。
その商人は、王様に対して、正直者にしか見えない糸で作った布で、どれだけ価値があるのかを伝えました。
商人が王様に対して「もちろん正直者の王様には見えますでしょう」と言い、王様は見えていないのに「もちろん見えるとも。これ程はすばらしい素材は見たことがない」と言いました。
あるとき、王様がパレードでその服を着て、街中でパレードを行いました。
それを見ていた大人達は「これはすばらしい」と言い、その素晴らしさをたたえていました。
しかし、それを見た子どもは「王様は裸だ」「裸だ、裸だ」と言いました。
それを聞いた大人たちも、王様が裸であることに気づいた。
王様は自分がすっかり騙されたことに気づき、裸でいることが恥ずかしくなりました。
以上が大まかなあらすじになります。
まずはこの話しを元に、色々なことについて考えてもらいました。
王様はどうして見えていないのに、正直者には見えると言われた布を「見える」と言ってしまったのでしょうか?
その裏には正直者でいたい、正直者はすばらしい、周りによく見せたい…
色々な思いがあったのだと思います。
私たちの信じ込みも、まさにこのように作り上げられていくのです。
周囲の人達から「これはいいものだから、それを信じなさい」と言われると、自分ではそう思ってなくても、そういうものなんだ、とつい信じ込んでしまいます。
子どもの時から「そういうのは世間体が悪い」「みっともない」など、言われ続けた人は,人からどう見られるかを意識しやすくなるでしょう。
またテストなどでいい点を取ってほめられ、悪い点をとって叱られたなら、『人より優れていることがいいことなんだ』と思うかもしれません。
このように人は周りから与えられた価値観を、知らず知らずのうちに使っているものです。
小さい頃は、そうは思わなくても、気づいたらその考え方を飲み込んでいた訳です。
今回は、そのようなことに色々気づいてもらいました。
自分が信じ込んで、受け入れてしまった価値観にどんなものがあるのか…
それを振り返ってみると、色々なことに気づくことでしょう。
『裸の王様』は自分の信念がどのようにして作られるのかを、よく教えてくれていると思います。
自分がその信念をまとっていて、それが必要ないと思えば、それを脱げばいいのです。
そうするとすっきりと、自分らしく生きられることでしょう。