なぜ「親子関係/家族関係/夫婦関係」なのか。
個人だけでなく家族関係という視点も持つ心理療法では、
上記のようなあらゆる症状は、家族の関係性の中に本来ある問題/葛藤/不安を、家族メンバーのひとりを通して表現されている、と考えます。
そのため、個人がなんとかしてよくなったとしてもまたすぐに戻ったり、また別の形ー例えば別の家族メンバーが症状をもったりするーで現れることが少なくありません。
また、いじめ、パワハラ、事故、離別などによる傷つきから不適応になった、というように、問題のきっかけが外にあっても、それはきっかけにすぎず、
背景に家族関係における葛藤や不安があることが少なくありません。
「うつ(もしくは不登校、摂食障害など)になったあなた(だけ)に問題があるんだから、病院に行ってよくしてきてもらいなさい」
、、、
それは違います。
症状は、その家族や個人の成長の可能性やチャンス、必要として立ち起こってきている場合があります。
しかし、家族は安定のためにこれまでのあるパターンを維持しようするので、家族で変化していくことは本当に大変なことではあります。
そして、―これは個人だけでなく関係という視点も大事な理由の大きなひとつですが―何か傷つきが起きた後または前の、身近なひととの関わりがときに「癒しの資源/癒しそのもの」、反対に「きっかけの傷より大きな傷つき/傷つきのこじらせ」にもなり得えます。
家族のサポートが治療には大変重要ですし、個人のもつ自己成長の力、家族関係の力、どちらも大切に進めていくことでより良い治療になります。
夫婦療法、夫婦(カップル)カウンセリング
(例)
さまざまな夫婦間の悩みはあるとおもいます。
なかなか夫婦二人での問題解決がうまくいかない場合、第三者の介入、とくに専門家の介入によりお互いの思考や感情などをうまく相手に表出できるようサポートしていくのがこの夫婦カウンセリングです。
二人のうち一方だけが「カウンセリング」をうけたいといったことでもまずはおひとりでカウンセリングをうけることも夫婦カウンセリングにおける治療の一歩となるとおもいます。
この治療では、いままでの行動上の問題や不適応状態をかえ、変化をおこし、人格の成長や発達などを促進していくことを目標としていきます。
※夫婦療法、夫婦カウンセリングの目標や意義
感情的な悩みの軽減と身体症状の安定化をはかること
そうすることにより夫婦双方における幸福を促進していくこと
しかし夫婦療法は必ずしも現在の結婚生活の維持を保証するものではありません
場合によっては、現在の結婚生活を解消するといった結論に達することも
ケースによってはありえます
※治療としては
当院では同じカウンセラーのもと、まずは夫婦別々にカウンセリングをうけてもらいます。
治療目標としてはそれぞれのストレスや問題への対処力の増強が目標となります。状態が十分に安定し、お互い意思疎通が上手にできるようにサポートします。
その後夫婦別々におこなっていたものを合同で治療とする方向性もでてきます。
<夫婦療法、夫婦(カップル)カウンセリングの適応のまとめ>