こどもの発達障害については、専門検査を要するためこどもの発達障害が疑われる場合は専門病院へご紹介させていただくこととなります。特段発達障害的な要因がない場合は、当院での心理療法やカウンセリングは可能と思われます。
こどもへのEMDR治療
トラウマにはテロや災害など命に関わるようなトラウマや、親子関係や対人関係、学校での出来事、いじめ、などから不登校になってしまうケースなどのトラウマがあります。このようなトラウマにさらされながら成長していっているこどもたちに対する支援や治療などは現在のところ多くはありません。
こども時代におこったトラウマを幼少期に修正ができればその後の成人してからの影響も少ないとおもわれます。
EMDR治療は脳内の肯定的な記憶と否定的な記憶のネットワークの連結により情報全体が かわる治療といえます。
否定的な自己評価やそれに焦点をあてたときの感情、その強さ、身体感覚を意識しながら25往復程度の素早い眼球運動を通して自然な連想の流れが肯定的な連想の終わりになるまで続ける治療をいいます
*ひとは本来、経験を適応的な連想にむすびつけ自然に問題を解決する能力をもつといわれており、眼球運動がその解決する能力を適応的にむすびつけることを助ける働きがあるとされています。
1セッション45分程度とすること。絵カードをつかう、イメージを用いる、こどもの言葉を用いるなどの工夫をする。眼球運動のときに指人形をつかう、おもちゃを使用するなど。こどもの場合は大人とくらべ記憶のネットワークが単純であるためにEMDRによる情報処理は速くすすむといわれています。
*EMDRはほかの心理療法よりも言語能力が高くなくても実施ができるという特性があります。
肯定的な状態に達するようになります。
表情が明るくなる、すっきりした晴れた表情になる、トラウマだったことがどうでもよくなる、新しい対処法を学習するようになるなど。肯定的な出来事の記憶を思い出すなど。
EMDR治療は言語能力が高くなくても施行が可能な治療法といえます。当院ではその治療上の特徴から十分にこどもへの適応があると考えています。英国や米国、独、仏などの学会でもEMDRは治療ガイドラインに推奨される治療法として紹介されており、こどものかかえる学校でのトラウマ、家庭でのトラウマ、人間関係上のトラウマなどをターゲットにEMDR治療を行っています。