強迫性障害(ためこみ強迫について)
ためこみ強迫 ①
強迫症の人のなかには、物を過剰に収集したり、物を捨てることができなかったりした結果、家の内外にあふれるほど物が溜まってしまうことがあります。
ためこみ症は、さまざまな原因によって起こる複雑な症状です。物を社会的問題の代用品として扱うこともこうした原因のひとつとなっています。なかには、コントロール欲求が動力源となっているものもあります。溜め込み障害の症状は大きく2つあります。
溜め込み症 ②
溜め込み症の原因は様々ですが、その1つとして、「確実性の追求」というのがあります。
確かさや真実を強く求めすぎてしまう人々は、何かを収集し、理解し、解釈し、比較しなければならない無限の情報の海におぼれる危険があります。そして、ためこみ症の人々の中には、文字どおり自宅のごみにおぼれてしまっている人もいます。
物が次々とたまっていく一方で、家から出ていく物はありません。それは、どんなものでも大事に思える、あるいはその可能性があるように思えるからです。情報の追究や、念のために必要な物を集めすぎてしまい、どこまで行っても満足の得られない「幽霊狩り」になってしまうのです。
溜め込み症 ③
ためこみ症はその根本原因によって、さまざまな攻略方法がありますが、ここに示す練習課題は専門家とともに行う必要があります。いくつかアイデアを紹介しましょう。
本当にもう十分なのだということが理解できたら、がらくたを一袋ずつ捨てるようします。多くの患者が報告しているように、彼らが抱く恐怖心は最終的には、予想したよりもはるかに小さくなります。
部屋に2つの大きな袋(または箱)を置きましょう。ひとつは主観的に重要な情報と思われるもの、もうひとつはがらくたと思われるものを入れるのもいいアイデアです。仕分けが終わったらすぐに、がらくたの入った方の容器を地域のごみ置き場に運んでいき、捨ててきましょう。
溜め込み症 ④
対処方法として、がらくたや情報の量をまず制限し、その後減らしていくことが役立ちます。例えば、毎日コンピュータから20個以上のものを削除する、5年以上前の個人情報以外の情報を削除する、インターネットからも取得でき、プリントアウトする必要のない文書やコピーを削除するなどを試してみましょう。
ルールに従うことを重視し、他の方法が役に立たない厳格な人の場合は、対抗ルールを用いて溜め込み欲求を抑えるのも有効でしょう(同じことを何度も繰り返す反復強迫のある人々もこの方法を試してみると良いでしょう)。例えば、ある行動を繰り返すのではなく、1回だけ反復したらそれで行動を終わりにします。あるいは、儀式を延期するのでもよいでしょう。